再生産されるルアー達
我工房でもゴールドラッシュのような時代があった。ルアーにしてもウキにしても注文のラッシュだった。時には品質を落としてでも納品を迫られた。例えば5回塗るところを3回にしたりしたこともあった。それでも注文が途絶えることがなかった。バブルの時代だ。我工房でもNC旋盤の導入に迫られた。1000万円もする機械だが1日で数百個の製品ができる。この計算から行くと1か月で500万円の売り上げになる。浮三はノミ一本の手加工で生きてきたからこの機械の導入をしなかった。もうNCで作った安い製品に追われて売上は5分の1に激減した。ノミ一本なので償却するものが何もなかったから何とか食っていけた。そしてバブル崩壊。本当に水の泡と言う言葉が当てはまった。NC旋盤を売ったほうも買ったほうもその後どうなったかは知らない。その当時作ったものが後生大事にしまってあったんだなあ。いま生意気なお馴染みさん達によって蘇るようになった。心の中では、ありがとう、だが相変わらずお互いに憎まれ口をたたきあっている。普通のお客さんが入ってくるとびっくりしている。でもちょっと時間が経つと笑ってくれる。再生産されるルアーの一部。