もう40年にもなるかあ。福島県の砥石の産地にお馴染みさんの友人さんがいた。立ち寄って庭を見るといい仕上砥石があったので売ってくれるように頼んだらいくらでも持っていけると言われ頂いてきた。形を整えて仕上砥石として作り上げた。高さが10センチあったんだが6センチにまで減っていた。よく使ったものだ。杉,檜のような針葉樹はバイト(工作物を回転させて削る時の刃)では削りにくい。これに目を付けて作った製品を販売したら誰も真似しなくなった。しかしノミ1本のフリーハンドで削るので後継者もいない。子供達には押し付けられない。もし跡を継ぐということになれば自分の仕事は辞めずに趣味的にやるように勧めるつもりだ。好景気、バブル景気に高売り上げをしたと思ったらバブル崩壊、釣り人の激減そしてコロナ。こんな不安定な仕事は俺一人でお終いだ。でも物凄い時代を生きてきたんだなあ。

減ってしまった仕上砥石。

左のノミは20年目。右のノミは去年おろした。追:働くことのバイトだが、アルバイトの略称だろう。ドイツ語で働くという意味なのは皆もしっていると思う。結構日本での俗語が世界に通用するようになったなあ。